何だかんだと月日が経つのは早いもので、もう2011年になってしまった。
お正月はお母さんのお姉さんが来たり何かのんびりと過ごした。
地震による異常を感じるようになってから、お母さんは魔除けグッズを集め始め玄関や寝室に飾り始めた。
お母さんいわく「何か起こりそう」な予感がしたんだって。
その日はお父さんとお母さんはお休みで、まったりとしていた。
僕はふっと窓の外を見ると、隣の土地に人がいた。何をしているのかなって見ていると地盤調査をしている様子だった。
お母さんも気が付いたらしく「あらっ、お隣に家が建つのかしら。」ってお父さんに言っていた。
その人は大きな青い色をした機械を作動していた。
「ふーん、機械で測定するんだねー。うちは手動だったんだっけ。」なんて呑気な事を言っている。
午前中から始まって午後になっても作業していた。
お母さんが「何か変じゃない?うちの地盤調査はあっと言う間にと言うか私達が到着した時には終わってたよ。」お父さんも「う~ん、そうだったよね。」と言うか早いかお母さんは玄関に行って「ちょっと聞いてくる。」って。そこで、お母さんが作業者の方としばらく話をしていた。お父さんが心配そうに家の中から見ていると、お母さんが鼻息荒く帰ってきて「ちょっと、ここの地盤は凄く悪いんだって!!杭を何本も打たないと駄目だって言ってたわよ、私達の家はただのべた基礎よね。」って2人でこの家の土地の地盤調査報告書を探し始めたが、いくら探しても無い。
あっ!無いはずだよ。だって最初の営業員さんが住所の番地を間違えたから訂正しますって持っていったきり持って来ないもん。
お母さんはまたまた鼻息を荒くしてラベンダー色の前のお家へ出かけた。
そしてそのお家のお父さんに話を聞いていた。
バタバタと帰ってくるとお父さんに「前の家の方はね、15年前に建てたんだけども、ハウスメーカーさんに西が弱いですって言われてね、なんらかの地盤改良したんだって!!そしてね平成17年の8月にほーら私達お盆で会津に旅行に行ってた時、けっこう大きな地震きたじゃない。その時、前の道路に亀裂が入って駐車場が落ちたんだって。」
「このお家はなーんにもやってないから、こんなに地震が来る度に異常な位揺れるのよ!!」って大興奮。
さっそく工事を請け負った展示場に電話して事情を話して、もう別の地盤調査会社専門の所にもう一度地盤調査を依頼するって言ったら、それは駄目です、って言って統括責任者がすぐ伺いますと本当にすぐ来た。
その時今だ渡されてなかった我が家の地盤調査報告書を持ってきてもらった。
僕はときどきお父さんとお母さんを見ていて思う。
よく、ことわざで「石橋を叩いて渡る。」と言うのがあるが、お父さんとはどちらかと言うと渡る前にとりあえずお母さんを呼んでくるタイプ。お母さんはお構いなしに叩きもせず、えーい落ちたら落ちただって突き進むタイプ。思ったらそく行動あるのみ!
お母さんはの座右の銘は「聞くのはひと時の恥、聞かぬは一生の恥。」
お父さんはそんなお母さんを「頼もしい背中だね~。」って感心している。
お母さんはまるで特攻隊長だねって言ったら鼻の穴を膨らませてた。
お父さんの役目は?って聞いてみたら、ニッコリ笑って「隠し玉。」だって。
変な夫婦・・・・・・