今回の熊本地震で被災しました皆様へお見舞い申し上げます。
私の経験上、役に立ちました支援物資をお伝えしたいと思います。
①女性の方、避難生活が長引き、お風呂にも入れないと思います。また、下着の替え、洗濯も出来ないと思います。その時に役に立つのは、生理用品です。パンティーライナーが無い場合は生理用ナプキンでも代用できます。私も実際、下着の替えもなく、お風呂にも入れない時にとても役に立ちました。
②歯を磨いて下さい。今、飲料水はとても貴重でそんな事できないと思っているかと思いますが、これは、とても重要な事です。私も断水で水はとても貴重で歯なんて磨いている場合ではないと思っていましたが、口の中を清潔にしてください。私は歯を磨くのを怠った結果、前歯は差し歯、そのほかの歯が虫歯になり酷い目にあいました。1日一回でも良いです。何等かの方法で口の中を清潔にしてください。
この二つの企業の方、どうか支援物資として送って下さい。
このブログを見た方は避難している方に伝えてください。
また、お子様連れの方、子供は何が起きているのかわかりません。避難所で少しのスペースでも良いですから、子供達が遊べるところを作ってあげてください。子供達が遊び、大声をだしても大人は暖かい目で見てください。きっと、子供達の笑顔が自分達の笑顔にもつながります。どうか、頑張って下さい。
月別アーカイブ: 2016年4月
「僕」へ
僕が2010年2月に完成した時は、お父さんとお母さんはとっても嬉しかったよ。
だって、念願のマイホームだもの!
お父さんは今までコツコツと集めてきたオーディオ類に囲まれて本当に嬉しそうだった。まるで子供みたいに一日中いじっては満足そうな顔してたよ。
お母さんは広いキッチンに喜んで、みんなに美味しい料理をつくるんだって、はりきって毎朝早く起きて「僕」をピカピカにしていたの覚えている?
広い芝生とウットデッキがあって休日にはみんな集まって、バーベキューパーティーしたり、お父さん自慢のシアターで映画を見たり、にぎやかであったかい家庭にしたいねって夢を語りあったね。
そうそう、僕は知らないけれども、お母さんのやんちゃな息子はその後、とっても美人なお嫁さんと巡り合い今では3人の女の子のパパになったのよ。僕に見せたかったな、りっぱなパパになった姿を・・・
お父さんとお母さんはずーと僕と一緒にいられると思っていた。そしてお父さんとお母さんがいずれ消えても僕は子供達に引き継がれ、またずーと子供達といるものだと思っていたのよ。
あの日から、もう5年の経つなんて信じられない。そして僕が姿を消してから2年も経ってしまったのよね。
時々、僕が建っていた跡地に行ってみるけれど、改めてもうここには僕は居ないんだなって思います。ただ風の音と小鳥のさえずりが聞こえます。お母さんが話かけているのは聞こえますか。ラベンダー色のお姉さんと一緒にいるのですか。
お父さんとお母さんは、今6畳2間のみなし仮設住宅に住んでいます。息子達とも別々に住んでいます。だって7人では狭いものね。大きいお父さんとお母さんにはとても狭いです。あと1年でみなし仮設は終了となります。お父さんとお母さんは災害公営住宅には入れないんだって。なぜなら、少し難しい言葉だけれども激甚災害という制度があるのね。激甚災害地域とはたとえば、阪神淡路大震災や新潟中越地震、東日本大震災により津波や地震で家屋が倒壊してしまい、住む所が困窮している人々に国が災害公営住宅を作って、そこに移り住んでもらうんだって。お父さんとお母さんが住んでいた福島市は家屋倒壊が少なかったので、災害公営住宅は原発で避難している人達だけが入れるんだって。だから駄目ですって言われたの。お父さんとお母さんが建てた工務店は阪神淡路大震災でも全半壊がなかったと言っているけれど、それなら、なぜ、震度5強の地震で僕は全壊したのだろうね。来年の4月には何処にいるのだろう。ローンと家賃は払えないよね。
そんなこんなしている時にお母さんは「川島工房さんの想いでの家」というのを知ったの。どうしても、もう一度、僕に逢いたくてお父さんとお母さんは「いわき」まで行って来たのよ。そして私達の熱い想いを伝え完成したの。3月26日「50分の1の僕」を迎えに行きました。
どう?これが「50分の1の僕」よ。何もかもそっくりでしょう。」そこにはお父さんとお母さんと守り神だった僕の化身を入れてもらったの。時は2010年2月、これから始まる新しい生活に向けてドキドキ、ワクワクしているの。ちょっと細めのお父さんとお母さんだけどね。外観は元より、ウッドデッキもそっくりでしょう。煉瓦の色合いもポストも何もかもうりふたつで川島工房さんの技術力の高さと完成度にはお父さんとお母さんは本当に感激しました。涙が止まりませんでした。「僕」が居たから・・・
でもね、僕、実は外観だけではないのよ。中身もそっくりに作ってもらったの!驚いたでしょう。家の中は次回のお楽しみね。もう、ちっちゃくなって入りたいくらいです。
お父さんとお母さんはまだ裁判中です。長い長い戦いだけれども、決して諦めません。だって相手側にとっては何千何万棟の一棟かもしれないけれども、私達にとっては、かけがえのない一棟だもね。
また手紙書きます。
お父さんとお母さんより