「僕」へ

僕に最初に手紙を書いた季節はまだまだ寒く、時折春の暖かい木漏れ日が眩しかったけど、今はもう8月でお母さんの住んでいる福島は7月の終わりにやっと梅雨が明けたと思ったら、日差しが強くセミの声が聞こえすっかり夏になってしまいました。毎日とても暑いです。 4月には熊本で大きな地震があったのよ。家を失ってしまった方々もたくさんいて、心が痛いです。お母さんはその頃体調を崩してしまい、帯状疱疹になってしまったの。右胸と脇の下、背中に発疹が出て、まぁこれが痛いのなんのって夜も眠れないほど大変だったの。ちぃちゃい小人が身体の中にいてギュ~ってつねっている感じ!お医者さんはストレスや疲労が溜まると免疫力が低下して発症するって言われたけども身体は正直だなって思いました。それから、あまり体調の良く無い日々が続き、今は歯が悪くなって病院通いの日々です。もっと早く僕に手紙を書きたかったのだけれども、遅くなってごめんね。いつもチャキチャキ威張っているお母さんがあまりにもおとなしいので、お父さんは心配してくれて、とても優しいです。なので、もうしばらくおとなしくしていようと思ってます。そんなお母さんを元気つけようと、今度のお父さんのお盆休みには温泉に連れて行ってくれるんだって!久しぶりに大きなお風呂に入れるのはとっても嬉しいです。家族風呂はあるのかな~久しぶりにお父さんの大きな背中流したいな~、お母さんの背中もたくましいけどね。へっへっへっなーんてね、お母さんの近況はこれくらいしといて、今日は僕のお家の中を紹介しないとね。お待たせしました!!もう~本当にそっくりでしょう。ミニチュア僕!

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この1階部分の階段の下には、お手洗いもちゃんとあるのよ。細かいところも本当にそっくりに作っていただき、改めて川島工房さんにはお礼を申し上げます。こうやって見ると、僕はとても広くてりっぱだったのね。たった1年しか僕とは一緒にいれなかったけども、ちっちゃい僕になってお父さんとお母さんの元に帰って来てくれるとは、色んな想いがこみあげて言葉になりません。ちっちゃい僕がいつもそばにいてくれるので寂しくはないけれども悲しいです。

この前ね、ちょと遠出をして星を見にお父さんと2人で行って来たの。僕と一緒の時は広いウットデッキに出ると星空が見えてとても綺麗だったけれども、今はアパートで回りに家もたくさんあるから、星空を見る機会は無いの。星空はとても綺麗でお父さんと僕の事話していたら、近くに小川が流れていて、そこからホタルがスーとあらわれたの。たった1匹だったけれども、お母さん、初めてホタルを見たの。とても綺麗だった。

実はね、裁判の事だけれども、判決の日がやっと決まりました。長かったね。

今度の手紙は判決に向けての今までの想いを僕に話ししたいと思うので待っていてね。また手紙かきます。

お母さんより