「僕」   2011年  2月 地盤調査報告書

お母さんは地震保険に加入した。
僕を建てる時、営業員さんに「この建物は地震に強く震度7まで耐えられますので、地震保険に加入しなくても大丈夫ですよ。」って言われたけれども、もう信じないって。
お母さんに信じないと言われた時は僕はちょっと悲しかったけれども、僕も地震保険に加入した方が良いと思った。だって揺れるんだもん。明らかにおかしいと思っていた。

そして2月24日に再度地盤調査を行いに作業者の方々が来た。
前回の地盤調査では調査が終わった後に呼び出されて実際に調査を行っている現場は見ていない。
今回はお父さんもお母さんもランランと目を光らせて、その光景を見ていた。

一通りの説明を受けて早速、調査が始まった。
まず、芝生のある南側とウットデッキのある所、目立っておかしいとは思わなかった。
さて、問題の北西の角地にきた。
スクリュウ―ポイントがすーっと入っていったと言うか落ちていったような感じ。
2人とも顔を見合わせたが、作業者の方は顔色一つ変えず、大丈夫ですよって言った。
北東の角も同じくすーと入っていった。
本当に大丈夫なの?
後でお父さんとお母さんが話していたのだが、これほど異常を感じていると訴えているのに対し、床下に潜って基礎にヒビが入っていないかとか、レーザーポイントという機械を使ってちゃんと水平かどうか調べるという事もせず、外回りをサーと見ただけで終わりっては、あまりにも簡単すぎるのではないだろうか。

後日、地盤調査結果にかんする報告書を持参して「異常は無い。」と説明されたが、お母さんは信じない。
「書面で持って来られても納得できません。どうぞ一ヶ月この家にあなた方住んで下さい。そうすれば、地震の時どれだけ揺れるかわかりますから」って言ったら、工務店の方は「この家は震度7まで耐えられます。たとえ大きな地震がきても壁紙がピリピリと攀じれる位ですよ。」って言って帰って行った。

なぜこんなに信じないかと言うと前にもお話したけれども、最初の地盤調査には駆けつけた時にはもうすでに測定は終わっていて確認の写真を撮らされて、その報告書は手元に無い。
こちらから申し出をしたら一年近くたってやっと持ってきた。
番地が間違っていたので訂正しますと言っていたが、番地は訂正されてなかった。

震災後、やっと戻ってきた地盤調査報告書を依頼した建築士さんに提出した所、実際の現場状況とは異なる誤った方角、高低差、隣地情報が記載されていた。
まず、東側隣接地には本当なら空地のはずなのに、なぜかラベンダー色のお姉さんのお家の写真が写っていた。西側は法面なのに北側の法面の写真が写っていた。
南側はラベンダー色のお姉さんの家なのに西側の法面の写真が、そして北側は法面なのに空地の写真が写っていた。
本当なら東側=空地   西側=法面   南側=宅地   北側=法面   なのに対しこの地盤調査報告書は  東側=宅地   西側=北の法面   南側=西の法面   北側=宅地 となっていた。
そして測定地点は角地にもかかわらず真ん中3点だけであった。

また高低差も北側は11mの法面に対し宅地となっているので、±0になっていた。
西側も高低差24~26mの法面なのに高低差-2~8の雑木林となっていた。
そして北側法面(高低差11m)  西側法面(高低差24~26m)のギリギリ角地に僕は建設されてしまった。