「僕」  2010年  2月

いよいよ僕の引き渡しの時がきた!
でもお父さんは朝から機嫌が悪い。なぜかと言うとちゃんと寸法を測ってもらっていたオーディオ類達がテレビボードに入ると言っていたのに入らないのだ。
形状も何だか変な形に変えられた。
電気屋さんにもこうしてほしいと頼んでいたのにしてくれない。
営業員さんは残工事だと言っていたが、展示場に同じのあったじゃない・・・
一番最初の営業員さんも是非立ち合いたいといってきたので、来ていた。

お父さんはオーディオ類達のためになると人が変わってしまう。
そうなるとお母さんも何も言えない。
とうとうお父さんが我慢できなくなってしまい声を荒げるとなんと営業員さんが逆切れしてきて怒鳴りかえしてきた!
僕はビックリした。
お父さんと営業員さんの怒鳴り声が響く!
お父さんが「なんで3回も寸法書いた紙を渡しているのにできないんだ!」
と言ったら最初の営業員さんは「僕はウーハーの寸法しか計ってないですよ。それとね、お客さんは大工さんとは直接話は出来ないのですよ。」と耳を疑うような返事が返ってきた。

その時2人のやり取りをポカンと見ていたお母さんが「プチン!」と切れた。

「やめてくだい!!」と・・・
「家は生きているんです。良い気も悪い気も吸収してしまうんです。なんでこの引き渡しの日にあなたに怒鳴られなくてはいけないのですか!やめてください!」と・・・
そして泣き出してしまいその後は言葉にならなかった。
大泣きしはじめた。

せっかくのお祝いの日にお母さんは営業員さん達の為にもお弁当をたのみ、みんなで食事でもしようと思ってたらしいが台無しになってしまった。
お弁当は持って帰ってもらった。

お母さんはずーと泣いている。
お父さんは「ごめんね・・・」って誤っている。
お母さん泣きやまない。

僕は悲しかった。
とても悲しかった。
言葉では言い表せないくらい   悲しかった。