「僕」  2009年  春  5月

だんだんと僕が図面上で形になってきた。
間取りは5LDK
1階にはダイニングキッチン、リビング(シアタールーム)、和室、寝室、そしてオーディオルーム!
2階にはお母さんの息子さんの部屋が2室と、いつか息子さんが結婚して子供が産まれた時の為にお母さんは孫の部屋まで作った。
ここで僕の家族を紹介します。

このお家に住むのは、お父さん、お母さん、そしてお母さんの息子さんの3人だ。
実はお父さんは初婚だがお母さんは再婚だ。
お母さんは息子さんが2人いて、長男が3歳、次男が2歳になる前に残念ながら離婚してしまい女手一つで子供達を育ててきた。
その頃のお母さんの事は僕は知らないが子育てに必死だったらしい。
そして14年後お父さんにめぐり合えた。

当時、上の息子さんはすでに結婚をして子供にも恵まれお母さんの実家に住んでいた。
下の息子さんはまだ遊びたい盛りでまぁこれがやんちゃな息子であった。
お母さんはやんちゃな息子が心配で仕方なかった。
そんなお母さんの気持ちを分かってか、お父さんは家を建てる時には息子さんも一緒に住めるようにしようと言ってくた。
お母さんはその気持ちにとても嬉しく感謝していた。
お父さんとお母さんには子供がいない。と言うよりできない。
なぜなら、お母さんはお父さんより8歳も年上だから・・・

2人が出逢ったのはお父さんが31歳、お母さんが39歳の時だった。
お父さんは初めてお母さんを見た時、ズッキュ~ンときて恋に落ちたんだって。
大恋愛だったそうだ。
その頃のお母さんは今よりず~とず~と痩せていて可愛かったんだよってお父さんは言っていた。
僕は今のお母さんしか知らないが、可愛いと言うよりはたくましく見える。
だって今のお母さんはまるで・・・・・・・想像にお任せします。
そいいうお母さんもお父さんの事を「世界一かっこいい!」と言っているし、  ヤレヤレ

色々あったそうだが、お父さん37歳、お母さん44歳で2人は結婚した。
2人はとても仲が良い。いつも一緒に行動している。
お父さんは物静かで、温厚でめったに怒らない。いつもニコニコしている。
でも怒ったら怖い。僕の事で何回か工務店さんに怒った時は本当に怖かった。
あんなお父さんを見たのは初めてだったとお母さんは言っていた。
逆にお母さんはこれまた正反対で気が強い。
お母さんいわく、子供2人女手一つで育ててたらこうなったと言い訳しているけど。
何かというと10倍になって返ってくるのでお父さんは口答えしない。
でも本当に仲が良い。
いつだったかお母さんに「お父さんとは喧嘩しないの?」と聞いてみた。
そしたらお母さんは「まさかこの歳でお父さんと結婚できるなんて夢にも思わなかった。まるで若い女の子みたいにドキドキしてときめいて、恥ずかしいね~。」って年甲斐もなく真っ赤になっていた。
「でもね、ずーと一緒に居たいけれども、年齢から考えると普通の人の半分位しか一緒に居れない、だから
喧嘩する時間がもったいの。」ってコロコロ笑っていた。
聞いてる僕が恥ずかしくなってきた。

そういう訳で息子さんが結婚したら2階にお嫁さんも住んでもらって、2世帯住宅になる。
僕は賑やかなのが好きだ。
ちっちゃい子供の声は時にはうるさくと思う時もあるが静かだと心配になり、みんながリビングに集まって色んな話をして、一緒に食事をして、良い時もあればそうでない時もあるけれども。
そんな風景を僕も一緒にあじわって・・・
みんなが安心して住めるように僕がしっかりみんなを守るよって形になっていく度に思っていた。